名古屋のご当地グルメといえば、手羽先、味噌カツ、味噌煮込みうどん、きしめん、海老フライ、あんかけスパゲティと色々ありますが、王者といえば『ひつまぶし』じゃあないでしょうか。
味、ボリューム、値段とも、まさにキングといって相応しい、名古屋最強のグルメだと思っていますが、ひつまぶしだからといって、どこの店でも美味しいのかといえば、決してそんなことはありません。
もっとも、うなぎならではの香ばしさや、たれの前では、たいていのひつまぶしは美味しく感じてしまいますが、いろいろと食べ比べてみると、お店によってずいぶんと味が違うことが分かってきたりします。
たいていのお店はおいしいので、好みの問題という面が大きいのですが、それでも人気のある店と、そうでもない店との味の差は歴然で、どうせなら美味しいひつまぶしを食べたいところです。
で、今回行ってみたのが、愛知県の飛島というエリアにあるうなぎの名店、たてまつというお店です。
ちなみに飛島というエリアは、ロケット産業などが盛んで、その牧歌的な外観とは対照的に、全国屈指の超優良のお金持ち地域。
飛島村という名前ですが、合併を断り続けているほどの、他府県の市町村がうらやむほどの税収がある村だと言われています。
近所にある小中学校も、技術の粋を結集したようなハイテク校舎でびっくりしたくらいです。
さて、この「たてまつ」ですが、前々から評判は聞いていて、行ってみたいと思っていたお店なのですが、今回初めていってみました。
駐車場も席数に応じたくらいの数は完備されているので、車を止める場所も問題なし。
お店のすぐ横にも、駐車場があります。
店構えは、本当に昔ながらの雰囲気。古き良き時代の銭湯のような佇まいです。
店内に入ると、木造の店内にはうなぎの香ばしい臭いが充満し、待っている間だけでも食欲が3割ほど増してしまうほどです。
おしながきはこんな感じ。
このお店では、ひつまぶしは、うなぎまぶしという名前。
うなぎまぶしというのが、ひつまぶしです。
うな丼、うな重、ひつまぶしとありますが、やはりここはひつまぶしである「うなぎまぶし」の一択です。
値段は2835円なり。
けっこういい値段なんですが、これでも良心的な値段なんです。
うなぎの高騰で以前よりも値上がりはしたそうで、毎週行けるような価格ではないのですが、最近は3000円以上する店が多い中、この価格はとっても良心的といえます。
ちなみにこの日は、学生さんのバイトなのか、お店のご家族なのかわかりませんが、中学生くらいの女の子がお店を手伝っていて、とっても忙しそうでした。
さてさて、注文して出てきたのが、この内容。
おひつを開けると、ジャーン。
濃厚なうなぎの香りと、香ばしいたれの匂いで、もう食欲が全開です。
量もものすごく大容量。
茶碗4杯くらいは余裕の量で、うなぎもぎっしりです。
写真を見て思い返すだけでも、食欲がわいてくるほどです。
食べ方としては、最初の1杯目は、うな丼のように、普通によそって食べる。
2杯目は、よそったあとに、薬味を載せて食べます。
ネギ、海苔、わさびとありますが、このひつまぶしにわさびの組み合わせが絶妙で、これまためちゃめちゃイケます。
で、最後の3杯めは、がひつまぶし最大の楽しみですが、出汁をかけて、お茶漬けのようにしていただく方式。
こんな感じ。
かけているのは、お茶ではなく、だし汁なので、いわば雑炊のような感じなのですが、これをお茶漬けと呼んでいます。
もちろん、この順番で食べる必要はまったくなく、好きなように食べてOKですし、3杯どころか4杯くらいあるので、自分のすきなペース配分で組み合わせて食べればいいのですが、やっぱりこのお茶漬けが最高です。
ひつまぶしにだし汁をかけ、そこにいれるワサビがまた最高。
ぴりりとするさわやかな辛さが、絶妙なんです。
ちなみにこのだし汁は追加OK。
最初から最後までお茶漬けでいただきたいという場合でも、問題ありません。
というわけで完食ですが、大人でもしばらく動けないほどの満腹感。気前のいい量です。
店も落ち着いた雰囲気で、最高のひとときです。
このたてまつのひつまぶしもいいところは、価格が良心的なこと以外にも、比較的あっさりとしていることで、誰にでも愛される味だということです。
余談ですが、ひつまぶし発祥の地とされているのは、熱田神宮内で誕生した「ほうらい軒」というお店で、現在でも連日長蛇の列が作られる大人気のお店。
年末年始などでは3時間待ちがザラで、平日の昼でも2時間くらいまたされることが珍しくないくらいの大人気店です。
でも、ほうらい軒のひつまぶしも確かに絶品ではあるのですが、いかんせん味がすごく濃く、本当に年に1度いけば充分と感じられるくらいの満足感で、ちょくちょく行きたくなる味ではありませんでした。
もちろん、味はとってもおいしいので、もし行ったことがない方は、ぜひほうらい軒にも行ってみてほしいのですが、そのほうらい軒の濃厚なひつまぶしに比べると、少しライトな味付け。
おそらく、たれの濃さや、塗り具合、焼き方にもよるのだと思いますが、ひつまぶしの割にはけっこうあっさりとしている(と感じた)ので、わたしはこちらの味の方が気に入りました。
良心的とはいえ、ランチに3000円弱はさすがに厳しいので、毎週行くってのはさすがに難しいですが、月に一回くらいの頻度では行きたくなる味わいです。
また、このたてまつさんも人気店のひとつなので、混んでいるお店には違いないのですが、飛島村という場所なので、ほうらい軒などのような名物店に比べると、はるかに待ち時間も少ないです。
平日の昼間なら、だいたい10人くらい待てば食べられますので、待っても2~30分くらいじゃないかと思います。
駐車場も席数に応じたくらいの数は完備されているので、車を止める場所も問題なし。
西尾張中央道は、名古屋の国道の大動脈のひとつですが、飛島付近まで来ると、もうすぐ海という場所柄もあり、車通りもそれほど多くありませんから、割とスムーズに行けると思います。
めちゃくちゃおすすめですので、ぜひ一度行ってみてください。
ちなみにうなぎの栄養価は高く、目に良いビタミンA、成長促進作用があるビタミンB、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、老化や酸化を抑えるビタミンEのほか、魚特有のDHAもたっぷり入った、超優良健康食品のひとつです。
そのうなぎをぜいたくに使いつつ、あの香ばしいたれ、白いご飯とくれば、食欲が湧かないはずがありません。
最近ちょっと元気がないなぁという方も、食生活や「食べたいと思う欲」という動機は、活力ある生活をおこなううえでとても重要な要素ですので、ちょっと奮発してひつまぶしというのも、いいカンフル剤になると思います。
●店名:うなぎのたてまつ
●場所:愛知県海部郡飛島村大宝5丁目48
電話:0567-52-1308
で、地図はここらへん。
西尾張中央道を23号線方面に向かって走行していくと、右側車線に見えてきます。
周りにはほとんど何もないので、すぐに分かると思いますが、けっこうスピードを出せてしまう道路なので、飛ばしていると見落とす可能性がありますよ。
ただし、行ってみて休みだったは悲しいので、ぜひ電話で確認してみてから向かってみてください。
席数は22席。喫煙は可能でした。