液晶モニタは、中古と新品のどっちがお得か?

近頃は液晶モニターもずいぶん安くなりました。

円安が進んだせいもあって、2011年末頃の異常なデフレ価格に比べれば、ずいぶんと値上がりはしてしまったPC周辺機器ですが、それでも19インチの液晶モニターが5万円近くしていた頃と比べると、ずいぶんと安くなったものです。

しかし、日進月歩で進化を続けるPC周辺機器の中でも、液晶ディスプレイほど購入頻度の低いものも珍しいかもしれません。

もともと壊れにくい機器でもありますし、新製品でも触ってみない限り、なかなか現在のモニターに対して機能やサイズへの不満を感じにくいからかもしれません。

実際、パソコン本体やハードディスク、キーボードなどの周辺機器は頻繁に買い替えや買い増しをするヘビーユーザーでも、ディスプレイをしょっちゅう買い替えるユーザーは、あまり多くないのではないでしょうか?

そんな「もの持ちのいい」周辺機器である液晶モニターですが、大型サイズの液晶モニターがずいぶんと値下がりしていることを知ってしまうと、やっぱり欲しくなってしまうものです。

「値段もずいぶん安くなったし、このモニターも長いこと使ったし、そろそろもう1サイズ大きめの液晶に買い替えたいなぁ」

そこで悩むのが、新品を購入するか、それとも中古を購入するかです。

中古を購入するメリットは、なんといっても「安いから」です。

ヤフーオークションなどを使うと、同一サイズの新品モニタの半額程度で購入できることも珍しくありません。

ヤフオクで買える中古モニター

しかし、実をいうと中古ディスプレイは、仮に激安で入手できたとしても、実はたいしてお得ではないことの方が多いのです。

というのは、最近発売されている液晶モニタの消費電力が、かつてよりも大幅に下がっているからです。

たとえば2008年ごろに発売された液晶ディスプレイは、今ほど省電力ではない機種が大半でした。

27インチの液晶モニタを例に挙げれば、最近発売されたモニターの消費電力がおおむね25Wから30W程度なのに対し、5年ほど前の27インチの液晶モニターの消費電力は、100W近いものが多いです。

もちろん、ブラウン管やプラズマディスプレイに比べれば、当時でも十分に電気代が安かったのですが、これだけ省電力なモニターが出揃っている現在だと、もはや魅力的には映らなくなってしまいました。

おまけに、ヘビーなPCユーザーだと、寝ている間も外出中も電源を入れっぱなしという方も多いと思います。設定によっては、「●時間経過するとモニター電源を落とす」などを実施しているケースもあると思いますが、復旧時のちょっとした待ち時間がイライラするという理由で、結局つけっぱなしの設定になっていることも多いと思います。

そうすると、それに比例して電気代もずいぶんと高くなってしまうのです。

ここで少し計算してみましょう。

電気料金は、契約しているアンペア数や時間帯によっても多少の差がありますが、ここでは一般的な1Kwあたり22円という数字を用いて計算してみます。

仮に100Wの液晶ディスプレイだとすると、1日あたりの消費電力は100W×24時間で2400W(2.4Kw)ですので、1日あたりの電気代は52.8円です。1か月分に換算してみますと、52.8円×30日で1584円。さらに、1年単位で見てみますと、1584円×12カ月で、年間19008円となります。

一方、仮に25Wの液晶ディスプレイだとすると、1日あたりの消費電力は25W×24時間で600W(0.6Kw)ですので、1日あたりの電気代は13.2円です。1か月に換算してみますと、13.2×30日で396円。さらに、1年単位で見てみますと、396×12カ月で4752円。

1日単に、1か月単位で見る限りは、それほど大きな差を感じることはありませんが、これが1年、数年単位で見てみると、実に15000円近い差が生じるわけです。いまどきのモニターは、少なくとも3年くらいは持ちますから、5万円近くの差が出ることになります。

これでは、電気代の差額だけで、毎年新しいモニターが変えてしまうことになります。

この出費を大きいとするか少ないとするかは考え方の違いがありますが、同程度の予算で比較する限り、やはり新品の方が性能も向上しているし、発色もよいですし、バックライトの寿命も長いものです。また、ずいぶんと軽量化も薄型化もすすんでいますので、技術の進歩を痛感せざるを得ません。

100Wと25Wのディスプレイだと、単純に電気代が4倍違うわけですけれども、インチ数の大きいモニタほど、消費電力の差も大きくなりがちです。

ハイブリッドカーなどは、ガソリン車との差額のモトを取ろうと思うと、10年くらいのスパンで見なきゃならないのですが、わずか1年でモトが取れてしまう液晶モニターと、目先の購入価格だけにこだわって中古を選んでしまうと、ちょっともったいないことになるかもしれません。

いまどきは27インチのモニタですら2万円を切る価格で買える時代になっていますから、電気代の高い中古品を15000円くらいで購入するくらいなら、思い切って2万円程度の新品を購入する方が、不良品の心配もありませんし、すぐに壊れる可能性も低いでしょう。

数千円ほど差額のために、消費電力の大きい型落ちの中古モニターを購入するくらいなら、アマゾンで新品のモニターを購入した方が、満足度も性能もコストパフォーマンスも絶対に上だと思いますので、ぜひ検討してみてください。

大きな画面は使い勝手がよいものですが、長く使えるPC周辺機器のひとつですので、ぜひ慎重に選びたいものだと思います。

ちなみにわたしは今現在、LGの27インチモニターを利用しています。

理由は単純で、1番安かったからです。

デザインがちょっと垢ぬけなかったり、価格相応だとのレビューもありますが、コストパフォーマンスの良さは絶賛されている機種なので、「とにかく安くて大きな液晶モニターが欲しい」という要望にはぴったりだと思います。

アクションゲームなどシビアな応答速度が求められる用途にはちょっと向いていないかもしれませんが、ネットを見たり、動画をみたり、オフィス系のソフトなどを利用する分にはまったく問題がなく、使い勝手もいいディスプレイだと思いますので、とくにメーカーへのこだわりがない方には最高だと思います。ちなみにわたしが購入したものには、幸いにしてドット抜けはありませんでした。

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