ユニークな仕様をもつことで人気のあるマザーボードメーカー、ASRockから発売されているB85M Pro4を買ってみました。
余っていたCPUを有効利用したいという理由からですが、値段が7000円チョイと手ごろだったため、この機会にパワーアップを兼ねての購入です。
ちなみに使用したCPUは、インテルのCore i5-4570Sという省電力タイプ。
ソケットの形状はLGA1150というタイプで、core iシリーズの第4世代にあたります。
2011年以降に発売されたインテルのCPUには、グラフィック処理用のGPUが統合されているため、マザーボードさえ対応していれば、とくにグラフィックボードを用意しなくても、それなりのグラフィック性能が得られます。
少し前なら、グラフィックボードがマザーボード側に内蔵されたオンボードタイプが主流でしたが、CPU側に内包されたことで得られる一番のメリットは冷却効率。
マザーボードの価格を下げることにも貢献しているため、まさに一石二鳥の変化です。
今回のマザーボード「B85M Pro4」も、グラフィックス出力オプションが搭載されているので、 GPUが内蔵されているCPUを用意すれば、それだけでDVI-D、D-Sub、HDMIの3系統を同時に使用することができます。
さて、せっかくのCPUを有効利用したいがために、マザーボードを購入することになったわけですが、BM85M Pro4を選択した最大の理由は、メモリスロットが4つあること。
メモリスロットは後から増やすことができない部分であることと、ちょうど4GBのDDR3が2本あるので、この機会にさらに4GBのDDRを2枚増設して、16GBまで増やしてみたいと思ったことが大きいです。
そんなわけで、LGA1150対応かつメモリスロットが4つあるマザーボードを探してみると、最安値だったのが、このBM85M Pro4でした。
アマゾンでの実売価格は7700円。これだけの拡張性をもったマザーの割には手ごろな点が気に入りました。
マザーボードの入れ替え作業は久々だったため、ちょっと配線に手こずりましたが、満足のいく結果になりましたので、メモ代わりに記事にしておきたいと思います。
自作されようとしている方や、同じマザーボードを購入しようと検討されている方の、参考になれば幸いです。
というわけで、とどいたのがこれ。
さっそく、今現在の手持ちのPCケース、電源ユニット、SSD、HDD、メモリを流用する前提での入れ替え作業です。
まずは既存のPCをバラしにかかります。
今回はマザーボードそのものを交換するため、すべてを解体するかっこうになります。
さすがに3年近く使っていると、中はヒドいもので、ほこりだらけ。
SSD×1台に、HDD×3台、メモリ×2本、光学ドライブ×1台と、ちょっとゴチャゴチャしていますが、マザーボードからすべての配線を外していきます。
外し終わった後は、マザーボードとPCケースを固定するねじを外して、マザーボード本体を取り出します。
ちなみに交換前の仕様は、AMDのPhenom II X6 1065Tを載せたマザー。6コア仕様ではありましたが、ちょっとモタつく感じが否めなく、そろそろバージョンアップをしなければしんどいなぁと思っていたところでした。
マザーを完全に取り外した後は、とりあえず内部の掃除。
電源からの大量の配線や、ケース本体に積もったほこりなどをきれいにします。
次に行うのは、新しいマザーの下準備。
ひとまずCPUを取りつけます。
CPU側に切り込みも入っているので、間違った方向に取りつける可能性は低いものですが、マザー側のピン折れをやってしまうと復活はほぼ絶望的になるので、ちょっと神経を使います。
つづいては、ファンの取りつけ。
大型の割にはずいぶん軽く、なおかつ薄い!
Athronには重くて背丈のあるヒートシンクに昔ながらのファンがついていたのですが、さすがは今回は低電圧なCPUだけあって、これでも十分に冷えるってことなのかもしれません。
ファンの取り付けは、プラスチック製のブッシュピンという方式なので、とくに工具を必要とせず取り付けが可能な点も便利です。
ここまでできた段階で、マザーボードをケースに取りつけます。
あとは、マザーボード上のコネクタ類に配線をしていくだけ。
久々の組み立てだったため、とくに細かいピン類の接続に少し迷いましたが、説明書にくわしくピンの位置が記載されているので、慣れている方ならものの3分で配線は終わるかもしれないです。
唯一の難所といえば、ここのピン周りくらいでしょうか。
パワースイッチ、リセットボタン、アクセスランプ、電源ランプの4つですが、ゆっくり配線すれば大丈夫です。
あとは、電源からの接続と、SATAの配線くらいで終わり。
あ、組み立て時といいますか、平常時のメンテナンスでちょっと面倒に感じるかもしれない唯一の個所が、SATAのコネクタ。
きわめて普通のコネクタなんですが、マザーボードに対して垂直にコネクタが出ているのではなくって、水平(横向き)に出ているのです。
ケースの仕様や電源の位置、ケーブルの塊によっては、ちょっとさしにくい感じがしましたので、ここだけが唯一の難点かもしれません。
全部つなぐと、けっきょくゴチャゴチャになりますね(苦笑)
無事に組み上げて電源を入れると、BIOSが立ち上がりました。
まず驚いたのが、静かなこと。
デカい割に軽いCPUファンだったため、どんな感じなのか想像がつきませんでしたが、静かすぎて最初起動したことに気がつかなかったくらい。
これも低電圧ゆえの進化でしょうか。
また、立ち上がったBIOS設定画面にも驚き。
ずいぶんとグラフィカルです。
あとは通常通りにWindows7をインストールしたあとに、付属のディスクからドライバ類をインストールするだけですが、1ボタンで勝手にどんどんインストールを進めてくれるので、めちゃめちゃ楽です。
というわけで無事に組みあがったPCですが、使い勝手も速度も上々。
クリーンインストールを終えたばかりということもあって、サクサクと動いてくれます。
ちなみにこれが、HDBENCHでのベンチマークの結果。
あらゆる速度が幅に向上しています。
意外に感じたのが、ベンチマークの数値上はAMDのものと大きな変化がなかったこと。
3年ほどたっているので、さぞかし大幅な速度向上がされているものと思っていましたが、数値上はそれほど大きな差がないようです。
かつて、AMD Athlon64X2 5000+を載せたマザーボードから、Intel Core2 Quad Processor Q6700を載せたマザーボードに入れ替えたときは、その劇的な速度向上に「おおおおおっ!」という感動があったのですが、そこからさらにAMDのPhenom II X6 1060Tを載せたマザーボードに入れ替えたときは、まずまずの感動さ加減でした。
今回のリプレースも、感動するまではいかず、もしかしてPCの速度向上は、もう頭打ちになりつつあるのかもしれないとも感じました。
とはいえ、体感速度はやはり向上しています。
これは、メモリが8GBから16GBになったことも大きいのかもしれませんが、クリックしたときの反応や、ブラウザで複数ウィンドウを開いたときのサクサク感といいますか、余裕がずいぶんと違います。
安定性が増したというべきなのでしょうか。結果的には、非常に満足しています。
一時期は4GB×2枚組のDDR3が3000円弱で購入できたことを思えば、ずいぶん値上がりしたものですが、大半のパーツをそのまんま流用できたことで、実質的なコストはマザーボードの7000円弱+追加購入したメモリ8000円。
合計でいえば15000円程度の出費で組み上げることができたので、今回のマザーボード換装は大満足な結果でした。
アスロックのマザーボードは、低価格ながらもいろいろと面白い機能が実装されているので、これからちょっと遊んでみたいと思いますが、非常にコストパフォーマンスの高いマザーボードですので、「コストパフォーマンスを最優先に」という方にも、マニアックな使い方をしたい方にもおすすめです。
ちなみにこれが、いままで一緒に戦ってきてくれたマザーさんとグラフィックボードさん。ほこりまみれでクタクタですな。
長い間、ありがとうございました。
追記:
CINEBENCH R15によるベンチマーク結果を追加しました。
まず、旧機種となるAMDのPhenom II X6 1065Tの結果。
こちらが、今回のB85M Pro4&i5-4570Sによる結果です。
いまとなってはレトロCPUなAMDのPhenom II X6 1065Tは、6コアの割にはちょっとモッサリしていましたが、このi5-4570Sは、4コアにもかかわらず動作はチャキチャキしてます。
サクサクというより、チャカチャカ動く感じでしょうかね。
ちなみにこのCINEBENCHっていうベンチマークソフトは、コア毎にレンダリングしてくれる様子が面白いベンチマークソフト。6コアなら6マスずつ、4コアなら4マスずつレンダリングしてくれるのですが、4コアのほうが処理速度が速くて追いついてしまうってのが、さすがいまどきのCPUといったところです。
シリーズ最下位であるB85チップセットを搭載したボードということから、玄人さんにはちょっと物足りない仕様かもしれませんが、ライトな自作ユーザーで、なおかつDDR3を一気に4枚使いたいというユーザーには、ベストなチョイスなんじゃないでしょうか。