現在の子ども向けサプリ市場を切り開いてといってもよいロート製薬のセノビックですが、初回購入やリピート購入に限らず、購入数に制限を設けていることはご存知でしょうか?
じつは、一か月に購入できる最大袋数が、20までと定められているのです。
「本当に20袋も買う人がいるの?」
と思ってしまいますが、ロート製薬が公式に販売を許可していない楽天ショップやアマゾンマーケットプレイスでの出品状況をみれば、転売目的で購入する人もいるようです。
ちょっとうがった見方をすれば、
「いかにも売れている感じを演出するために、わざわざ購入数の制限をしているのでは?」
とも受け取れるのですが、セノビックは本当によく売れていて、品薄のため一部のプロモーションが休止されていたくらいなのです。
また、3月や4月は卒業や入学のシーズンです。
そうすると、ほかの子どもと比べてしまう機会が増えるため
「うちの子、ちょっと小さいかもしれない」
「あの個、すごく背が大きくなったんだね」
など、身長差を目の当たりにしてしまうことが多いと思うのです。
じっさい、わたしがセノビックを飲ませるきっかけになったのも、娘が入園したときに周りの子供と並んでいる光景を見たからでした。
とくに、幼稚園から小学校に上がるタイミングだと、入学式がありますから、多くの保護者さんはわが子の成長した姿を見たくて入学式に参加されることも多いですよね。
そうすると、いやがおうにも同学年の子どもをたくさん見る機会があるので、
「みんな背が高いねぇ・・・」
「わたしの子、いまのままで大丈夫なのかしら」
と、ちょっと不安になったりすることもあると思うのです。
そうしたタイミングでセノビックのTVCMなどを見かけると注文が殺到するようで、4月~5月はものすごく出荷数が増えるのだそうです。
上記の理由がすべてではないと思いますが、短期間に注文が殺到した結果、6月前後の在庫数が極端に少なくなり、注文制限を設けなければならないほどの状態になったのではないかと思われます。
年間通じて売れ続けている場合は別ですが、一時期の急激な需要のためだけに増産するのは難しいことなので、ロート製薬としても断腸の思いでプロモーション活動を自粛していたのではないかと思います。
よって、セノビックの購入袋数制限は、決して「売れているかのように見せかけるための演出ではない」ということがわかります。
また、セノビックの購入袋数制限には、ロート製薬側の思惑も見え隠れします。
消費者のわたしたちからすれば
「いくらでも欲しい人がいるのなら、売ればいいじゃん」
と思ってしまうのですが、毎月20袋も消費するユーザーは、そんなに多くありませんよね。
セノビックはたしかに一か月に2袋のペースで消費していくものなので、お子さんが10人いらっしゃれば、消費してしまう可能性もなくはありません。
しかし、セノビックの中心ユーザーは幼稚園児から小学生くらいなので、4歳くらいから12歳くらいまでのお子さんを10人も育てていらっしゃるご家庭は少ないと思うのです。
もちろん、複数の家庭で共同購入しているケースもあるとは思いますが、それでも毎月20袋も購入するのは、かなりのレアケースだと思います。
そうすると、これほど大量に購入するのは、その多くが転売目的だということになりますよね。
商売的医考えれば、
「売れれば売れるほど儲かるのだから、いくらえも売ればいいじゃん」
と思ってしまいますが、転売品を購入したユーザーに問題が生じたとした場合、ロート製薬に責任は一切ないはずなのですが、それでもやはりセノビックというブランドネームに傷がつくことは避けられません。
そのため、あまりにも購入数が多いユーザーに対しては、個別に事情を聞くことがあるそうです。
もっとも、スポーツチームや保育園などが購入しているケースもあろうかと思います。
チームや園が一括購入して子どもたちに飲ませるということもあるかと思いますので、
「セノビックの大量購入は一律禁止」
というわけではないのだと思いますが、このあたりはさすが一流企業ならではの「売れればなんでもいい」という姿勢ではない、コンプライアンスの高さが垣間見えるところではないかと思います。
いずれにしてもセノビックは発売開始から10年経過した今でも売れ続けているロングセラー商品なので、もはや子ども向けサプリの標準製品・定番商品といっても過言ではない地位を築いていますが、ブランドイメージを守るためには「売れれば何だっていい」というわけではないということがわかる事例かもしれませんね。