パソコン工房のStl-15HP034-C-EEのレビュー

激安BTOパソコンショップとして有名なパソコン工房から、久々となる激安ノートPCが発売になりました

Stl-15HP034-C-EE

5年ぶりとなる激安ノートPCの再来

BTOとはBuild to orderの略で、注文があるたびに製造するという意味。

ベースとなる本体は決まっているものの、メモリやCPU、HDDなどの構成をカスタマイズして注文できる仕組みです。

今回パソコン工房から発売になった激安ノートPCの型番は「Stl-15HP034-C-EE」となっているもので、サイト上では「極省電力Celeron搭載15型エントリーノートパソコン」と記載されているノートPCです。

パソコン工房の激安ノートPCといえば、2011年末にリリースされたLesance(レサンセ) NB P3534-SPがあまりにも有名です。

累計200万台の出荷を記念して製造販売されたモデルでしたが、当時は歴史的な円高だったこともあり、送料込・税込で29800円というありえないような価格で発売されたことで爆発的に人気が出ました。

しかも、台数限定ではなく、通常価格で29800円だったために大人気となって注文が殺到し、パソコン工房の名前を一気に広めるきっかけになりました。

わたしも自分用、会社用、知り合い用と、10台以上注文した記憶がありますが、それほどまでに衝撃的な価格だったのです。

そもそもパソコンは、安ければ何でもいいというわけではありません。
低スペックなら安くて当たり前だからです。

じっさい、ネット閲覧ですら満足にできないネットブックなる低価格PCが多数発売されましたが、けっきょく「安かろう悪かろう」でいまではすっかり姿を消しています。

それにひきかえパソコン工房のノートPCは、激安価格にもかかわらず、ちゃんと使えるパソコンだったことが衝撃的で、わたしも当時、知人や友人、私用、会社用と、10台くらい購入した記憶があります。

あの衝撃的な29800円PC以降、しばらくは激安ノートPCが出てこなかったのですが、今回久々にリリースされることになったStl-15HP034-C-EEは、久々にコストパフォーマンスの塊といえる内容になっています。

ちなみにパソコン工房は、自作PCファンの間では非常に人気のあるショップなのですが、その親会社はUNITCOM(ユニットコム)という、日本最大級のパソコン周辺機器取り扱い会社。
それゆえに、大量生産によるコストダウンができる会社なのですが、パソコン工房の良さはそれだけではありません。

同価格帯の海外製PCに比べて、安定性が優れているのです。

同じ価格、同じCPUのASUS製のノートPCを購入したことがあるのですが、なぜかWindowsのエクスペリエンスインデックス(性能の目安を表示してくれる機能)には大きな差がありました。

これは、パーツ同士の相性を徹底的に調査して組み込まれているからだと思いますが、こういった「細かい芸当」ができるのも、国産メーカーならではの強みだと思います。

Stl-15HP034-C-EEのスペック

さて今回のStl-15HP034-C-EEですが、サイズはA4サイズの15インチモデル。

画面のへの映り込みがなく、麺も優しい、ノングレア(非光沢)の液晶です。

処理速度の要となるCPUはセレロンのN3160。パソコンに詳しい人ほど「セレロンは低性能の廉価版CPU」というイメージを持たれていることも多いのですが、CPUの速度が頭打ちになってきていることもあり、ここ最近のセレロンは一昔前の上位CPUよりもはるかに高速に動作します。

おまけに、クアッドコアという、4つのコアをもつCPUなので、よほど負荷のかかる演算をさせない限りは、速度に不満がでることはまずありません。
ネットやユーチューブの閲覧はもちろんですが、オフィスソフトなどもまったくストレスなく動作します。

なにより驚きなのは、SSDへの無料アップグレートがあることです。通常だと500GBのHDDなのですが、無料アップグレードを利用すると、なんとSSDにしてくれるのです。

このアップグレードは期間限定ですが、可能ならば必ずSSDへのアップグレードをしておくことをすすめます。なぜなら、動作速度が雲泥の差だからです。

パソコンの記録媒体には、従来型のハードディスクと、次世代型のSSDがありますが、SSDの特長は、なんといっても動作速度が速いこと。
メモリの増設や、CPUのグレードアップをしても、体感できるほどの速度差はあまりありませんが、HDDからSSDに換装したときの体感速度は、もはや感動的なレベルです。
いままで3分かかっていた起動が、たった30秒程度で終わることも珍しくありません。

それだけ速度に直結するパーツなのですが、それゆえに、値段がけっこうするのです。
240GBのSSDだけを購入しても、1万円弱はしますので、このパソコンがいかに激安なのかがわかると思います。

500GBのHDDに比べて、240GBのSSDだと「容量が小さくなる」と心配される人も多いかと思いますが、250GB程度の差であれば、外付けのポータブルHDDを購入したほうがぜったいに後悔しません。
250GBがすぐに埋まってしまうようであれば、どのみち500GBでも容量はすぐに足らなくなるからです。
よって、アップグレード期間中に購入できるのであれば、ぜったいにSSDにしておくことをおすすめします。

なお、ちょっと差額(5000円)を追加すると、SSDをIntel 540sシリーズにしてくれるサービスを行っていますが、これは選択しなくてもよいでしょう。

たしかにインテル製のハードディスクは信頼度が高いのですが、他社メーカーだからといって特別に性能が劣るわけでもありませんし、さすがにこれで5000円の差額を払ってしまうと、激安モデルの意味が無くなってしまうので、あえてインテル製のSSDを選ぶ必要はないでしょう。

さらに驚くべきは、OS無モデルも存在することです。

通常モデルのOSはWindows 10 Homeとなっていますが、OSなしを選択すると、価格はさらに5000円安くなって、34980円で買えてしまいます。

OS無だと34980円に

はっきりいって、信じられない安さです。

それ以外の性能も、信じられないくらいに充実しています。

メモリも8GBと超大容量なので、増設の必要がありませんし、無線LANも「11ac」に対応しています。
低価格PCに搭載されている無線LANは、2.4GHzという帯域を使っているのですが、この11acというのは次世代のワイヤレス企画で、5GHZの帯域を使っています。
電波の干渉を受けにくく、チャンネル数も多いので、混線しにくく、なおかつ切断されにくいので、主に業務用PCや高級PCに利用されているものなのですが、このモデルでは標準搭載されている点も驚きです。
さらに、ブルートゥースも内蔵しているので、後から買い足すものが何もない点が素晴らしいです。

さらに、インターフェイス類も充実しています。

インターフェイスも充実

USB端子が4つあり、そのうち2つが高速な3.0仕様。

ワイヤレスマウスやプリンタなどの周辺機器の接続にUSB2.0を使い、外付けハードディスクなどの周辺機器の接続にUSB3.0を使うことで、高速処理の恩恵を十分に受けることができます。

しかも、HDMI端子だけでなく、D-SUB15ピンタイプの出力端子があるところも高評価ポイント。
プレゼンテーションなどでプロジェクタを使う際、すこし古い機種だとHDMIで接続できないことが多いのですが、そんなときでも困りません。

おまけに100万画素のカメラまで内蔵していていますので、ユーチューブへの動画投稿などもすぐにできます。

もう、まさにオールインワンPCです。

使い心地を左右するキーボードのタッチも悪くありません。

写真で見てもわかるとおり、キーストローク(キーの押し心地)がちょっと浅めです。

東芝の高級モバイルPCである「RX3」や「R731」とよく似たキーボードですが、軽いタッチで入力することができるため、長時間の作業でも疲れにくい仕様です。アップルのMacbookシリーズと同じようなキーボードだといえばイメージしやすいかもしれません。

自分でパーツを集めて自作しようとしても、これだけの充実したスペックをここまで安く作ることはおそらくできないでしょう。

ひとつだけ注意点があります。それは、光学ドライブがついていないことです。
光学ドライブとは、CDやDVDなどのディスクのことですが、ここ最近の事情を考えれば、あまり困ることはないだろうと思います。

といいますのは、いまどきのパソコンは、ハードディスクやSSD内につくられるリカバリ領域で初期化することができますし、NETFLIXやHULUなどの動画閲覧サービスが普及したことで、レンタルDVDショップの利用機会もかなり少なくなっています。映像や音楽、ソフトウェアもダウンロード形式で提供されることが多くなっているので、光学ドライブを使う機会がほとんどなくなりつつありますので、どうしても光学ディスクを使いたいときだけ、外付けのドライブを使うとよいでしょう。(外付けのDVDドライブは2000円程度から購入できます)

ということで、パソコン工房から久々に発売されることになった激安ノートPC、「Stl-15HP034-C-EE」は、まさに文句なしのモデルです。

今回も注文が殺到することになると思いますので、買い替えや買い増しを考えている人は、早めに注文しておくほうがよいでしょう。

評価(5点満点)

動作速度:★★★☆☆
実用性:★★★★★
デザイン:★★★☆☆
信頼性:★★★★☆
高級感:★★☆☆☆
コスパ:★★★★★
満足度:★★★★★
総合評価:★★★★★

ひとこと:
ビジネス用途にも、ホビー用途にも、必要十分すぎる内容。無料アップグレードは必ず受けるべし。


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