ゲーミングケータイの先駆け? F-02Dのすごすぎる無駄技術

年末の大掃除をしていると出てきたのが昔懐かしいガラケー。

F-02D

機種名はドコモのF-02Dです。

頭文字にFとあるのは富士通製でして、発売日は2001年11月11日。

2011年ごろの記事を見ると記載されていますが、当時は「圧巻の全部入りハイスペック防水ケータイ」などと紹介されていたハイエンド端末です。

充電して電源を入れて起動させてみると、なんとも懐かしい立ち上がり画面が表示されました。

F-02Dの起動画面

「防水のため、電池カバーとキャップを確実に閉じてください」っていう表示です。

「あ~、こんな画面あったなぁ」っていう感じで、もうこれだけで懐かしさ炸裂。

F-02D

このF-02Dは本当に当時の日本のお家芸ともいえる技術を結集させた名機といっても過言ではない機種。

折りたためるだけでなく、サイドのスイッチを押すとパカッと開く機構、液晶画面部分が360度回転して液晶面も蓋にすることもできるギミック、蓋を閉めた際にサイドがレインボーカラーに光るゲーミング仕様など、あらゆる箇所がラグジュアリー。

F-02Dを回転させたところ

さすがは日本製といいますか、お家芸といいますが、ものすごく丁寧かつ精巧に作られていることが分かります。

ゲーミングPCのようなレインボー

で、懐かしいiモード(携帯サイト)の画面。

F-02Dのiモード

2021年11月30日をもって公式サイトが終了したため、URLを直接開くか、お気に入り経由からのアクセスしかできませんが、公式サイトですら素人が作ったHTMLページのようなデザインで、いまとなっては「よくこんなサイトを見ていたもんだな」っていう驚きがあります。。

10年以上経過した今でもふつうに起動して動作する点も日本製ハードウェアの優秀さを感じます。

F-02Dのメイン画面

F-02Dの操作パネルはこんな感じ。

F-02Dの操作パネル

でも、ハードウェア的にはほんまにスゴい技術なんです。

いまみても、感心しきりのすっごい技術の結晶なんです。

でも、そもそもこんな機能、「当時でも本当に必要とされていたのだろうか?」って感じがします。

なんというか、どうでもいいことばかりこだわっていたんだろうなぁとも思えてきます。

といいますのは、F-02Dが発売される4年前の2007年にはアメリカでiPhoneが登場。

翌年の2008年7月には日本でもソフトバンクからアイフォンが発売されていました。

でも、当時はまだスマートフォン自体がイロモノ扱いされていたこともあり、熱烈なアップルファン、IT関係者、新しいもの好きなどのアーリーアダプターが購入するにとどまっていました。

それに、パケット代金が非常に高くて高級品の部類。

アプリの数も少なくって、大半のユーザーが「いったいどうやって使うの?」「何の役に立つの?」っていう状態。

それでも、屋外でインターネットを存分に使える利便性やアプリの拡張性が認められるにつれ、スマートフォンは爆発的に普及し始めていました。

そしてスティーブ・ジョブズが亡くなった2011年にはiPhone4Sが登場。

そのころには日本でもiPhone人気に火が付いた後で、翌年に発売されたiPhone5の発売日には、全国の携帯ショップで強盗や盗難が相次ぐなど事件にもなっていたくらいです。

そんなiPhoneとスマートフォンブームのさなかに発売されたのが、このF-02Dというフラッグシップ機。

たしかに高級感ある質感や色合い、手触り、伝統工芸のような細かい駆動箇所など、いかにも日本らしいプロダクト。

液晶もタッチパネルだし、グラフィックのニンテンドー3DSのような奥行き感のある3D仕様。

F-02Dの3D表示

ワンセグTVも見られるし、Wi-Fiやおさいふケータイも搭載。

おまけにAPN設定も可能なので、MVNOなどの格安SIMでも使えちゃいます。

まさに当時の日本の技術をすべて詰め込んだといっても過言ではない最強のフラッグシップモデルだったのですが、こうして今から振り返ってみると、まったくの時代錯誤かつ、もはや引き返せないところにまで来てしまった、どうしようもないガラパゴス&バブル端末だったんだなぁと感じてしまいます。

当時の執行役員は、

「日本のケータイがガラパゴスと揶揄されているが、数年先を先取りした進化の1つの形だと実感してもらえる」

と自信をもって発言していますが、全世界がスマートフォンの利便性と可能性を理解していたときに、日本の携帯キャリアや携帯メーカーは、「スマホなんて絶対に普及しない」と豪語し、相変わらずオモチャのようなガラケーをせっせとつくっていたのだと考えると、そりゃ負けても納得だなぁとあらためて感じてしまいました。

もっとも、「電話しか使わない」「余計な機能がついていないシンプルなハードウェアのほうが使いやすい」という点で、現在でもスレート型の携帯電話は発売されていますが、当時の日本製ガラケーのような凝った作りの携帯電話はもう登場しないのだろうなと思うと少し寂しくも感じますが、また面白いガジェットがたくさん出てくると楽しいだろうなと思いました。

https://24recommend.com/pc/15550.html

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