アラジンから発売されている石油ファンヒーター、AKFL424NWという機種を買ってみました。
石油ファンヒーターを買うのなら、すぐに着火してくれるダイニチ製と決めているのですが、今回はアラジンの石油ファンヒーターを買ってみました。
ダイニチ、コロナ、トヨトミに比べてマイナーなメーカーなので不安だったのですが、思いのほか良品でしたので、レビューがてら紹介してみたいと思います。
家にはダイニチ製の石油ファンヒーターがすでに4台あるのですが、それらと比較して、良かったところや、悪かったところなども、包み隠さず情報も記載してみたいと思います。
さて、今回石油ファンヒーターを買い増しするに至った経緯ですが、今まで使っていなかった部屋に石油ファンヒーターが必要になったため、買い増しの必要性が出てきたのです。
部屋のサイズは8畳くらいなので、いま現在も使っているダイニチのFW-3215Sをもう1台買います予定でいたのですが、アマゾンで探している最中に見かけたのが、今回購入したアラジンのAKFL424NWという機種でした。
わたしの部屋は北側で、ベランダがあり、なおかつたばこを吸うため、冬でもで乱打の扉は開けたままの状態です。そのため、毎回フル稼働で石油ファンヒーターを運転しながら暖をとっていたのですが、この機会にもう1サイズ大きめの石油ファンヒーターを買う方がよいかもしれないなぁと考えていた矢先だったので、今使っているFW-3215Sを別の部屋にもっていって、自分の部屋に新しい石油ファンヒーターを置こうと考えていました。
そこで最初に候補に挙がったのは、もちろんダイニチのFW-3215Sの上位版ともいえる、FW-4215S。
アマゾンでの実売価格は、FW-3215Sが10000円チョイに対し、FW-4215Sは16000円くらいと、少しお高めです。
ちなみにこのFW-3215SやFW-4215Sは、ダイニチではスタンダードシリーズとして位置しており、余計な機能がほとんどないオーソドックスなシリーズです。
FW-3215Sの暖房のめやすは、木造で9畳、コンクリートで12畳までという、8畳くらいの部屋で使うには十分な火力ではありました。
ところが、先述のとおりベランダの扉をあけ放っている状況なので、極寒の冬場ではやっぱり足元が寒いんですね。そのため火力も全開でガンガン使うため、燃費も悪くなりがちで、5リットルの燃料タンクでは1週間持てばいい方という状態でした。
そこで、木造なら11畳まで、コンクリートなら15畳までという暖房性能を持つFW-4215Sを買おうとしていたのですが、そこに目に飛び込んできたのが、アラジンのAKFL424NWだったのです。
アラジンは、石油ファンヒーターの製造メーカーとしてはマイナーですが、石油ストーブの世界ではけっこう熱心なファンが多いメーカーで、インテリアとしての機能美を求めるユーザーには非常に人気のあるメーカーのひとつです。
ダイニチの石油ファンヒーターの特徴は、なんといっても点火速度が速いこと。まったく稼働させていない状態から、スイッチオンで約40秒後には温風が出てきます。また、点火時、消火時、運転時ともに臭いもほとんどなく、非常に快適に使えておりました。
ただし、唯一残念な点が、少々電気代が高いこと。
ダイニチの燃焼方式は、ブンゼン方式といって、石油を直接燃やすのではなく、いったんガスに気化させて噴射するという方式なので、どうしても電気代がかかってしまうのです。具体的には、運転時に300Wから390W程度かかります。
この方式であるからこそ点火速度も速く、臭いも少ないのですが、ハイパワーでずっと使い続けなければ環境だと、ちょっと厳しいのですね。
それでも、ダイニチの石油ファンヒーターは壊れにくいことが特徴で、10年くらい使えていたという実績もあって、よほどのことがない限りは今回もダイニチ製の石油ファンヒーターを選ぶ予定でした。
ところが、目に飛び込んできたアラジンの石油ファンヒーターのレビューを見てみると、なかなか絶賛の声が多く、とても悩んでしまいました。
おまけにこのAKFL424NWは、木造11畳まで、コンクリート15畳までと、FW-4215Sと同等の暖房性能。ところが、燃焼時の電気代は25Wと大幅に抑えられており、なおかつ「燃費がいい」というレビューが多数だったのです。
おまけに、燃料タンクが5リットルではなく7リットルなので、給油の回数も減らせそう。さらに、もともとはけっこう高めの旗手だったため、ダイニチのスタンダードシリーズよりもいろいろと細かな設定や機能があることも魅力でした。
おまけに値段も13400円と、ダイニチのFW-4215Sよりも3000円ほど安い。最初のリリース日が2009年と少々型が古いこともあってか、かなり安めの価格設定がされていたのです。
「でもなぁ、ダイニチ以外の石油ファンヒーターって、心配だなぁ」
「コロナもトヨトミも使ったことがあるけど、やっぱダイニチが一番だしなぁ」
「おまけに、コロナやトヨトミならまだしも、アラジンってマイナーだしなぁ」
なんていう心配があって、なかなか決断ができないでいたのですが、たまには違うメーカーの石油ファンヒーターも使ってみたいという誘惑に負けて、ポチってしまいました。
で、注文後に届いた実物がこれ。高出力な割に、かなりコンパクトな箱です。
同梱物は、説明書に保証書にユーザー登録書。
写真の左側がダイニチのFW-3215S(前モデル)で、右側がAKFL424NW。
ごらんのとおり、横幅こそAKFL424NWのほうが広いですが、奥行きや高さはほとんど変わりません。
操作パネルはこんな感じ。
パールホワイトで美しく、なおかつ結構な暖房性能を持っているにもかかわらず、コンパクトというか、薄い。
背面はこんな感じ。パンチングボードのようになっているので、フィルターがなく、掃除が楽そうです。
成熟製品なので、それほどデザインの違いはありませんが、しいて言うなら吹き出し口のフィンの幅が広めにとられているので、誤って指なんかを突っ込んだら危ないなぁってなくらいで、外観は非常に気に入ってしまいました。
で、さっそく灯油を入れて、実機チェックに入るわけですが、まず戸惑ったのが、灯油の入れ方。
すっかりダイニチ製の灯油タンクに慣れていたので、最初はどうやって開けるのか迷いましたが、説明書を読むと、キャップ部分を押さえつけながら回すという方式らしく、ちょっと時間がかかってしまいました。
こんな感じで、まずグッと押し込んで…
持ち上げます。
ちょっとわかりにくいとおもいますので、動画にしてあります。
灯油タンクをセットすると、コポコポとタンクに吸い込まれていく音がします。
そして、コンセントを差し込み、スイッチオン。
どのくらいの時間で着火するかなと思い、計測しながら待つこと3分。ピチャピチャピチャという音とともに点火されました。
この初回の着火についても動画にしていますので、参考にしてみてください。
点火時はほとんど音がしなかったので、「え?今着いた?」くらいでしたが、足元から出てくる温風で正常に点火されていることを確認し、ほっと一息です。
着火の速度の遅さについては、ダイニチが速すぎるだけで、ほかのメーカーでもだいたい2分から3分くらいはかかりますので、まぁ問題ありません。
で、実際の使い勝手なのですが、液晶が大きいし、状態に合わせて3色に光るし、(これはどこまで役立っているかわかりませんが)イオンによる脱臭機能などもあり、非常に高機能だと実感しました。
また、吹き出し口全体から温風が吹き出してくるので、足元がとにかくあったかいんですよね。
おまけに燃費もよいようで、フル稼働させても一回の給油でかなり持ちます。
稼働中の音も気になるほどではなく、また臭いもほとんど気になることはありませんでした。
ということで、すっかりアラジン製の石油ファンヒーターを見直してしまいました。
こちらにも記載がありますが、石油ファンヒーターというと、日本ではダイニチ、コロナ、トヨトミが3強。
かつて石油ファンヒーターを製造していたシャープや三菱などは製造をやめている状態。
アラジンはそのなかで奮闘している珍しいメーカーなのですが、もともとアラジンはパナソニックの石油ファンヒーターが由来だそうで、たしかに古いナショナル製の石油ファンヒーターとデザインが酷似しています。
ということは、信頼性も意外と高いのではないかと思ったりしていますが、いずれにしてもここまで良い製品だとは知らず、思わぬ嬉しい誤算となりました。
これから寒くなってくると、石油ファンヒーターが大活躍してくれる季節になりますが、ここまで余裕のあるパワフルな石油ファンヒーターだと、相当な寒さでも耐えられそうで、なんだか心強いものです。
「あんまり聞きなれないメーカーだなぁ」と敬遠される向きもあると思いますが、わたしは十分に満足できましたので、もしお手ごろ価格で、いまよりちょっとハイパワーな石油ファンヒーターを入手したいという場合には、有力な候補になってくれること間違いなしですよ。
追伸:
残念ながらアラジンの石油ファンヒーターは市場から姿を消してしまいましたが、アラジンといえばもともと石油ストーブで超有名な会社。
とくに下記のブルーフレームは、レトロなデザインかつ燃費がよく、オシャレなストーブとして定番です。
温風が苦手という方や、じんわり温まるストーブのほうが好きという方にとっては有力な選択肢になると思いますので、ぜひ併せてご覧ください。