Acerの格安ノートPC、Aspire AS5349-F82Cが届いたので使ってみた

Acerから発売されている格安のノートPC、Aspire AS5349-F82Cを買ってみました。

なんでAspire AS5349-F82Cを買うことになったのか?

それは、「最近のセレロンは、捨てたもんじゃないな」と感じることがあったからです。

少し前に、パソコン工房で売っている29800円のノートPCを記念モデルを購入したのですが、レビューにも書いた通り、個人的には大満足の高い買い物でした。

参考:パソコン工房から29800円で発売されているノートPC、Lesance(レサンセ) NB P3534-SPを買ってみたレビュー

その際に、「ローエンドのセレロンCPUでも、結構使えるじゃないか」と好感触だったことと、サブ的に使えるノートがもう一台ほしいと思ったため、もう一台同じPCを購入しようかと考えていたのですが、どうせなら買うなら、同じ価格帯で違うメーカーのPCも使ってみたいと思い、候補に挙がったのが今回のAspire AS5349-F82C。

価格コムでも上位にランクインしており、実売価格も3万円強と、比較的お手頃だったことと、値段が安い割には結構デザインがカッコイイということで、前々から気になっていたのです。

このアスパイアというシリーズを製造販売しているのは、Acer(エイサー)というメーカー。

台湾系のPCメーカーで、日本でも現地法人があり、人気のタブレットPCのIconia(アイコニア)シリーズなどを製造販売しているメーカーです。漫画ロイドの愛称でも知られる7インチのタブレットPC、「Iconia A100」もAcerの製品です。

そんなAcerが、ノートPCのラインナップとして掲げている機種のひとつが、Aspireというシリーズ。

15インチのA4ノートというスタンダードな区分で、格安のエントリーモデルから、高級価格帯の製品まで、幅広いラインナップがあります。

今回のAspire AS5349-F82Cは、2012年の春モデルとして発売されている中では、最も安価なモデル。

オープンプライスのため、実売価格は日々変動していますが、わたしが購入した価格は、送料込みで33000円程度でした。(購入したショップは、ムラウチ)

注文してから3日ほどで届いたのですが、さっそくレビューを書いてみたいと思います。

まず段ボールに梱包されて届いたのが、これ。

クラフト性のスタイリッシュでコンパクトな箱に収納されています。

中に入っていたのは、ACアダプタと簡易説明書、それにリカバリ用のディスクと、非常にシンプルな構成。

本体の色は、ブラックというよりもグレーに近い感じ。安いモデルにも関わらず、質感がよくカッコいいです。

ドットデザインのエンボス加工がされているので、手に持った時も滑りにくく、汚れも目立ちにくい感じ。

裏面はこんな感じです。

開いてみると、こんな感じの外観です。

テンキーが別に配列されているキーボードなので、数値などの入力がしやすくてGOOD。

キーとキーと間のキーピッチも十分に取られてあるので、ノートPCだからといって特にタイピングしにくい印象はありませんでした。

スペック的には、パームレスト部分に記載されているシールの内容のまんま。

CPUがセレロンのB815の1.6GHz、チップセットはインテルのHM65 Express、ハードディスクが320GB、メモリは2GB、光学ドライブがDVD-RAM/±R/±RW。

ネットワークは無線LANも有線LANも内蔵されているほか、本体の液晶上部中央にWEBカメラ(30万画素)も搭載されているので、ビデオチャットをするときにも付け足すものがなく、まさにオールインワンという仕様です。

横から見た外観でもわかるとおり、全体的に薄く見えますし、重量も2.4kgと比較的軽めなので、見た目もスッキリしていて、持ち運びも楽です。

パソコンの性能を表す、Windows7のエクスペリエンスインデックスは、4.1とまずまず。

光沢液晶かつLEDバックライトのため、発色もいい感じです。

プリインストールされているアプリケーションとしては、こんな感じ。(office2007や、Emeditorは後から自分でインストールしたものです)

DVDなどのライティングソフトや、Acerオリジナルのメディアライブラリソフト、マカフィのアンチウィルスソフトなど、オフィス系ソフト以外はひととおり入っているので、特にアプリケーションを追加することなくすぐに楽しめます。

で、実際に触ってみた感想なのですが、良くも悪くも値段どおりといった印象で、特別にサクサクという感じはないものの、かといってネットブックのように特別にイライラさせられることもなく、いかにもローエンド向けPCとわかる動きです。

ただ、2年ほど前に5万円程度で購入したノートPCと比べると、その速度は雲泥の差。

セレロンのB815というローエンド向けCPUではあるものの、物理2コア仕様のため、一昔前のセレロンに比べると、その性能は歴然です。

キーボードを叩いた時の押し込み深さやキーピッチも悪くなく、操作にストレスを感じることはありません。

これだけの性能を、実質3万円強で手に入れられる点は、本当に驚きです。

ただ、それでも少し不満が残ってしまう理由は、パソコン工房で買ったレサンセの存在があったからです。

というのは、Aspireよりも安く、かつ性能的にほぼ全く同じスペックのノートPC「Lesance(レサンセ) NB P3534-SP」より、このアスパイアの方が、少しモッサリ気味に感じるからなのです。

このブログでもレビューを紹介していますが、パソコン工房という国産メーカーが29800円で販売している200万台突破記念モデル、Lesance(レサンセ) NB P3534-SPというノートPCと、スペック的にはほぼ(というより、まったく)同じ。

CPUも、チップセットも、液晶画面のサイズも、ハードディスクの容量も、メモリの容量も同じ。無線LANも、DVDが焼ける点も、SDなどのカードリーダーが内蔵されている点も、まったく同じです。

違いといえば、Aspireには(30万画素ですが)WEBカメラが有るという程度なのですが、実際に操作をしてみると、明らかにパソコン工房のレサンセの方が速く感じます。

実際、Windows7のエクスペリエンスインデックスをみてみると、レサンセが4.4であるのに対し、今回のAspireは4.1。

0.3くらいの差では、体感できるほどの性能差はないように思えますが、両方とも触ってみた印象としては、パソコン工房のレサンセの方が、主観ではありますが、早く感じます。

ハードウェア間の相性の問題なのか、それともレサンセのパーツチョイスが絶妙だからなのかはわかりませんが、同じCPU、ハードディスク、メモリ容量でも、体感速度に差が生じるということに少し驚きでした。

そんなわけで、デザイン的には非常に優れたPCで、かつオールインワンの機能を持つコストパフォーマンス抜群のAspireであるはずなのですが、ちょっとだけ見劣りしてしまいました。

それでも、3万円弱で買えるなら、いい買い物と言って差し支えないと思います。

あと、これは不満というほどのものではないのですが、メンテナンス性は最悪といってもよいかもしれません。

というのは、メモリ増設やハードディスク交換を試みようとすると、恐ろしく面倒だからです。

裏面の映像を見てもらえば分かると思いますが、裏面のネジを全部外して、完全に裏ブタを外してしまわないと、内部にアクセスできないようになっています。

しかも、そのネジを回すためには、「開封したら保証外になる」というシールを破らなければならないという仕様。

つまり、フタを開けないとカスタマイズできないが、フタを開けてしまうと保障が受けられなくなってしまうのです。

最近のノートPCは、ユーザーが自分でメモリ増設やらハードディスクの交換をする人が多いので、メモリとハードディスクくらいは、簡単にアクセスできるよう、その部分だけ簡単に開けられるようになっているものが多いです。

ところがこのAspireシリーズは、そうしたカスタマイズを一切封印しています。

まぁ、デスクトップPCとは違い、そんなに頻繁に開け閉めするものでもないので、特に困らないといえばそれまでなのですが、さすがに24本もあるネジを全部外さないと開けられない仕様は、手慣れた人にとってもかなり「面倒な仕様」だといわざるを得ません。

オマケに、この裏ぶたが非常に外しにくく、危うく初日でマザーボードを割ってしまいそうになりました・・・。

出来る限り安く本体を購入して、安いメモリを取り付けようと考えているわたしのようなタイプにとっては、ちょっと残念な仕様ですが、AcerらしいといえばAcerらしい仕様です。

これは、コストダウンも関係もあるのでしょうけれども、恐らくAcerの販売事情にあるのではないかと思います。

もともとAcerのPCはBTOモデルではないので、購入時にカスタマイズができません。

そのため、メモリ容量やハードディスクの容量違いのモデルが、同じような型番で多数存在します。

良くも悪くも「最初から好みの仕様のPCを買え」ということなのでしょうが、それ以上に、内部を触ったことによるトラブル対応やサポートを回避したい狙いがあるのかもしれません。

実際、Acerというメーカーは、コストパフォーマンスが良いことで人気のあるメーカーのひとつなのですが、初期不良であっても修理扱いになるなど、サポートの評判はあまり良くありません。

そのため、価格こそエントリー向けに見えるものの、ある程度慣れている人でないと荷が重い、パソコン中・上級者向けのメーカーともいえるからです。

よって、購入したパソコンを一切いじらないというケースなら良いのですが、若干なりともカスタマイズをしたいという場合は、「壊してしまってもあきらめるぜ」という、自己責任を受け入れられる方にしか、おすすめできません。

そんなわけで、個人的には腕に覚えのある方にしかおすすめできない機種ではありますが、コストパフォーマンスは抜群なので、PCに詳しい人が近くにいるというケースや、玄人さんがセカンドマシン用途と考えて購入する分には、最高の1台となるでしょう。

同価格帯のPCを探している場合は、WEBカメラこそついていないものの、パソコン工房の記念モデルの方がおすすめなので、もし迷っている方がいれば参考までにどうぞ。

パソコン工房の29800円のノートPC、Lesance(レサンセ) NB P3534-SPが届いたので使ってみた

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