結論からいえば、050PLUSが圧倒的でした。
この3つだけじゃなく、他にもいろいろ試しましたが、050Plusと心中する覚悟です(笑)
少し長い記事になりますが、あなたがIPphoneアプリを検討しているなら、参考にしてもらえると思います。
さて、件名にありますとおりです。
IIJ、楽天、OCN、イオンなどなど、各社MVNOの格安SIMカードで運用しているスマートフォンを、発着信できるIP電話としても使いたい。
というわけで、代表的なIP電話アプリを試してみました。
具体的には、
・SMARTalk
・LaLa Call
・050plus
の3種類で徹底調査しました。
目次
そもそも、IP電話アプリってなんや?
かんたんにいえば、インターネット回線を使った電話のことです。
光電話やADSLでもお馴染ですが、050から始まる電話番号を使った電話サービスの総称。
IPフォンのIPは、InterNet Protocol(インターネットプロトコル)の略です。
通常の固定電話や携帯電話は、距離に応じて通話料金が高くなるものです。
でも、IPフォンは、インターネット網を利用するため、距離による制約を受けません。
そのため、通話料金が一律というサービスが多いのですが、固定電話同士の市内通話よりも安い通話料金が魅力です。
おまけにIP電話アプリは、050から始まる、れっきとした電話番号をもらえます。
そのため、固定電話や携帯電話に電話をかけることができるのはもちろん、固定電話や携帯電話からの着信を受けることもできます。
よって、通話料を安くしたいユーザーの間で人気となりつつあります。
そりゃあもちろん、携帯キャリアで契約したスマートフォンは携帯電話でもありますから、電話をかけることができます。
でも、携帯電話として普通に電話を使うと、30秒で20円程度かかってしまいます。
自分がかけなくても、相手が払っているので「高い」ことには違いありません。
それに引き換え、光電話やIPフォンなら3分で8円程度の通話料。
いかに携帯電話の通話料が高額かってことですが、通話は相手があってこそのものなので、「あ~ごめん。電話代が高いから切るわ」とさっさと切ってしまえないところが難点。
これが仕事で使うものならなおさらです。
ちょっとしたやり取りで5分ほど電話で話しただけでも、すぐに200円程度かかってしまうわけでして、これが毎日のことともなると、通話料金だけでもすぐに6000円を超えてしまいます。
この通話料金のほかに、基本料金やら、パケット定額料金やら、携帯電話本体の残債やらが加わるのですから、仕事で使う人などでは、毎月20000円程度かかっても、おかしくない状況です。
そこで、劇的な節約効果を果たしてくれるのが、IP電話アプリなのです。
光電話やADSLのIPフォンなどと同じく、スマートフォンのインターネット回線を介して電話をかけるもので、電話回線による通話に比べて、割安な通話料金になっているのが特徴です。
たとえば固定電話への通話なら、3分で8円程度。
携帯電話にかけても、1分16円程度と、その差は歴然。
国際電話も安く、たとえばアメリカへの1分9円くらいでかけることができます。
さらに、同じアプリをインストールしている者同士なら、通話料金は無料なので、利用するIPフォンアプリを統一しておけば、通話料金に気兼ねすることなくコミュニケーションが取れるので、それだけでもずいぶんと連絡がスムーズになりそうです。
アンドロイドの人気IP電話アプリは、この3つ
今回の実験に使ったアンドロイド端末は、パナソニックの旧モデルP-07Cと、サムスンの初代ギャラクシー。
いずれも2010年~2011年ごろに発売されたオールド機種で、OSは2.3。
どうしてこんな古い機種なのかというと、もともとIPフォンアプリを利用しようと思ったきっかけが、使わなくなった端末の有効利用だったからです。
最新の機種ならば、どんなサービスも問題なく使えるかもしれませんが、今回はあえて「枯れた機種」で実験してみることにしました。
そこで、どんなIP電話アプリがあるのかを調べてみると、
・フュージョンコミュニケーションが開発したSMARTalk(スマートーク)
・K-オプティコム(関西電力系の光ファイバーサービス)が開発したLaLa Call(ララコール)
・NTT コミュニケーションズが開発した050 plus(プラス)
の3つが有力な候補だということになりました。
まともに利用できさえすれば、正直いって、どれでもよかったのですが、とりあえず月額費用が安い順から試してみることにしました。
SMARTalkのレビュー
まず試したのが、SMARTalk。
フュージョンコミュニケーションが開発しているIP電話アプリです。
利用の申し込みは、パソコン版のホームページから行います。
アンドロイド側には、グーグルプレイからアプリをダウンロードしてインストールしますが、パソコン版で作成したログイン情報を、スマートフォンのアプリに入力して利用を開始するかっこうです。
さっそくPCで開通手続きを行って、スマートフォン側に設定を行い、利用できる環境になったため、固定電話との通話を試してみました。
ところが、どうやら3G環境ではうまく使えませんでした。
具体的には、相手の声は聞こえるのに、こちらの声が相手に届かない現象。
月額利用料金が無料なのは魅力的でしたが、LTE環境でなければ利用できず、なおかつ電波状況が安定している場所でないとまともに利用できませんでした。
ただしこの不具合は、通信速度の問題だけではないようです。
3G回線が問題なのかと思い、電波がガンガンつかめるWi-Fi環境でも試してみましたが、症状が改善されなかったので、LTE環境での利用だけでなく、比較的新しい機種でなければ、まともに利用できないと考えた方がよさそうでした。
解約はホームページから簡単にできたので、試してみて使えなかったらやめるという選択が気軽にできてありがたい。
もともと月額利用料が無料なので、解約する必要もなかったかもしれませんが、うかつに発信でもしてしまえば課金対象になってしまうので、念のために解約し、アプリも削除しました。
LaLa Callのレビュー
つぎに試したのが、LaLa Call。
関西電力が展開している光ファイバーサービス「eo」が開発したIP電話アプリです。
eo光の光ファイバーを利用しているユーザーは無料で使うことができますが、それ以外の一般ユーザーの場合は月額100円で利用できます。
通常のIPフォン番号で通話ができることに加え、LINEのようなテキストメッセージングサービスや、留守電機能も利用できるので、「電話がかけられるLINE」みたいなノリで利用することができます。
ところが、有料とはいえ月額100円なのが魅力的でしたが、決済に使えるカードのバリエーションが少なく、カード決済以外の手段がありません。
今回はがアメリカンエキスプレスに対応していなかったため、申し込みの途中で利用を断念しましたが、解約作業に手間取りました。
というのは、カード決済画面の直前まで到達したということは、すでに仮申し込みが終わっている状態です。
LaLa Callは月額利用料金がかかるアプリなので、この状態で放置してしまうと、使っても使わなくても毎月課金されるわけです。
よって、利用しない場合は、すぐに解約手続きをしておかないと、一切利用していないにも関わらず課金されるという状況になります。
ところがLaLa Callは、スマートフォン側のアンドロイドOSが2.3未満だと、解約のためのログインすらできません。
また、パソコンからログインしても、解約するためのページが見当たらないのです。
「え、なにこのハマリ状態・・・」ということで、困った挙句に結局eoのサポートダイヤルに電話連絡をして聞いてみると、やはりこのまま放っておくと課金される状態でした。
「使えるかどうかのお試しがない」「使えないから使っていないのに課金させるシステムになっている」「解約作業がスムーズにできない」のは、ちょっと不便に感じました。
電話サポートの指示に従い、イオネットのホームページのサイドバーにある「マイポータル」からログインし、ログインIDの削除を行うことで解約作業が完了となりましたが、使えないと分かった後、解約がすぐにできない仕様になっていることが、大変面倒でした。
そもそも3G環境ではログインすらできなかったため、何も試すことができないまま終わってしまいましたが、このLaLa Callも、最新スマホでなければ利用は難しそうです。
050 plusのレビュー
最後に試したのが、NTTの050 plusです。
アプリ大賞を受賞するほどの定番アプリのため、決済方法も豊富で、マニュアル類も充実。
やはり一日の長があるためか、安定性は抜群で、堅実。
月額300円はかかりますが、それだけに機能や安定性は群を抜いており、帯域の狭いMVNO回線でも、3Gにしか対応していないスマートフォンでも問題なく利用できるうえ、クレジットカードもアメリカンエキスプレスのほかにさまざまな決済方法が用意されています。
肝心の通話品質も、ほとんど延滞を感じさせないほど高速かつクリア。
アプリやサービスの完成度では、他のIP電話アプリを2歩も3歩も引き離している印象でした。
けっきょく、どれがいいの?
というわけで、安定性なら文句なしに050 PLUSという結論になりました。
ただし、LTE回線を持っていて、着信専用として使うのであれば、SMARTalk。
関西地方でeo光に加入しているのなら、無料で使えるLaLa Callも試してみる価値は充分にあります。
国産IP電話アプリのまとめ
最後に、それぞれのアプリに対して感じたレビューを記載しておきたいと思います。
●フュージョンコミュニケーションのSMARTalk
月額利用料は無料
ただし、カード決済のための登録は必要
同一カードで複数アカウントを取得する場合は、その都度500円必要。
発信時の通話料金は高め
通信環境がよいLTE環境でなければならない
3G環境だと、向こうの声は聞こえるが、こちらの声が聞こえない症状
音は比較的クリア
スペックが高めの機種でなければ厳しい
カード決済の種類は豊富(アメックス可)
解約手続きもオンライン上で簡単
●eoのLaLa Call
月額利用料は100円
音質は並(テスト発信の結果)
アンドロイド2.3未満の機種は使えない
アンドロイド2では、仮申し込みまではできるのに、ログインができず解約もできないハマリ状態になる
そのまま放置すると、まったく使っていないのに課金だけされ続ける状態になる
解約手続きが面倒
メッセージング機能や留守電機能もあり
対応しているカードの種類が少ない(JCB、VISA、マスターのみ)
●NTTコミュニケーションの050 plus
月額利用料は315円
決済手段も豊富
発信時の通話料金が安い
アンドロイド2,3,4いずれも利用可能
古い機種でも全く問題なく動作する
安定性は抜群
音質もよく、遅延も少ない
設定で細かなコントロールが可能
常駐するのでバッテリーは消費されがちだが、それほど大きな負担はない
いずれも登録や利用方法は同じ。
事前にパソコン版のホームページから会員登録を行い、個人情報やクレジットカードなどの課金情報を登録。
あとは、アプリ版をダウンロードし、PCで取得しておいたログイン情報でログインするだけ。
面倒な初期設定は、どのアプリもほとんどないため、すぐに使い始めることができます。
月額費用はかかるけど、利用者数と安定性が抜群の050 plusが優勝
3つのアプリを試してみた結果、やはりおすすめは050plusでした。
起動時に常駐してくれるので、スタンバイのし忘れはありませんし、何より通話品質が圧倒的にクリアで、細い回線でも充分に使える点がダントツです。
現在050 plusでは、2ヶ月間の無料サービスが開催されていますので、利用開始月と翌月の月額費用が無料になります。
ただし、日割ではなく、月割なので、仮に10月30日に使い始めたとした場合は10月、11月の2か月が無料になる方式なので、少しでも無料期間を延ばしたいという場合は、月初めに契約をした方がお得かもしれません。
申し込みの方法もかんたんです。
番号を選び、連絡先やカード番号の登録を行うと、自動電話による認証が行われるので、ものの5分程度で利用を開始することができます。
パソコンで利用者登録を行っておいてから、スマートフォンでアプリをダウンロードして、アプリからログインを行えば、初期設定が行われますので、すぐに利用を開始することができます。
もしも今から国際電話や長距離通話をする場合は、電話をかける前に契約を済ませてしまい、さっそくIP電話経由で電話をかけた方が、何倍も電話料金がお得になりますので、ぜひ覚えておいてください。
ちなみに格安SIMで一番おすすめなのは、やはりIIJmioです。
先駆者としての長があるだけではなく、帯域に余裕があるので、値段だけで勝負しているMVNOよりも圧倒的な速度と安定性を誇ります。
SMS機能付きのSIMカードなら電波のツカミもよく、LINEなどで認証番号を受け取るのも楽なので、これから格安SIMを選ぶという方にはおすすめです。
IIJmio SMS機能付きSIM
追伸:
050Plusで遅延が発生した際、サポートダイヤルにかなり助けていただきました。
相手の声が3秒ほど遅れて聞こえる現象に見舞われた際に、何度もテスト発進くださったり、詳しい技術的な解説を提供してくださったりと、ビジネスユースにも利用されている050Plusは圧倒的なノウハウでした。
個人ユースならほかのアプリでもいいかもしれませんが、1度番号を教えてしまうと、なかなか変更することが難しいものですよね。
その点でも、050Plusは抜群のサポート力をもっていると実感しましたので、法人での利用にも、もうこれしかないといった感じです。