セノビックの対抗商品として製造・発売されている明治製菓のセノビー。
後発製品の強みを生かして、セノビックと同等以上の栄養価や成分を含みながらも驚異的な低価格で販売を開始したことから、まさにロート製薬 v.s. 明治製菓の仁義なき戦いが始まっています。
さて、セノビックのミルクココア味にはオリゴミルという独自成分が含まれていますが、明治製菓のセノビーにも、セノビーにしか含まれていない独自成分がいくつかあります。
そのひとつが、シールド乳酸菌M-1という素材です。
登録商標をあらわすRのマークがついているとおり、明治製菓のみが使用することを許されたオリジナル成分のひとつなのですが、どのような効果をもたらすかご存知でしょうか?
セノビックに含まれているオリゴミルは、2009年にロート製薬が独自開発したペプチド素材で、免疫力を高める働きがあることはこちらの解説でも説明したとおりですが、セノビーに含まれるシールド乳酸菌M1も、免疫力の強化を目指した成分なのです。
シールド乳酸菌M-1は、文字通り、盾をあらわすシールドに由来しています。
実験用のマウスによる臨床試験では、インフルエンザに感染したときの症状が劇的に軽減されたことから、免疫力の向上効果があるとされています。
なぜ子ども向けサプリで免疫力強化が配慮されているのかというと、ただ単に「子供の骨を成長させる」という目的だけではなく、健康食品の本来の役割である「体を健やかにする」という目的もあるからです。
いくら高価なサプリを摂取しても、身体がそれを受け入れられない状態では意味がありません。
そこで、身体を万全の態勢にしておくために、病原菌に感染しにくい体質をつくることも重要との考え方から、シールド乳酸菌M-1が配合されているものです。
じつをいうと、身体の中にある免疫細胞の60%以上が、腸にあるとされています。
つまり、プロバイオティクス系の乳酸菌が「腸までに届く」というアピールをしきりに行うのは、免疫細胞のすみかである腸に送り届けて、免疫細胞のエサになってもらうためなのです。
また、セノビックには含まれていないセノビールの独自成分としては、ミルクペプチドもあります。
農学博士の矢澤一良教授によれば、睡眠障害ストレスに効果があるとされている成分のひとつで、心と体の両面のストレス耐性を高めることで、より深い眠りが得られる効果があるとされています。
セノビックのカルシウム含有量を3倍近くにまで強化し、オリゴミルに対抗してシールド乳酸菌M1を配合し、なおかつ睡眠の質まで向上させるミルクペプチドまで配合。
おまけに、ココアパウダーを使ったココア風味ではなく、本物のココアを採用しているため、ココア本来がもつ栄養素まで受け継がれています。
セノビックよりも優れた成分を配合しながらも、価格をセノビックよりも3割以上安く設定している辺り、完全にセノビックの座を引きずりおろそうとしているといっても過言ではないほどの完璧さを持つセノビー。
まさにセノビックの上位互換製品といって差し支えない製品だと思います。
長年セノビックに慣れ親しんできた愛飲者としては悔しい限りですが(苦笑)、残念ながら森永製菓のセノビーは、セノビックの栄養価・成分・性能・価格のすべてにおいて上回っています。
消費者としては、よりよい製品がより安く購入できる嬉しい戦争ではありますが、成長期向けサプリもなかなか熾烈な競争が行われていることがよくわかりますね。