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The following channel memory did not pass cpu memory test.Please remove the memory then plug again.
普段使っているパソコンのひとつに、
・マザボード:ASRock B85M Pro4
・CPU:Xeon E3 1246 v3
・メモリ:8GB×4本=32GB
という構成で動いているデスクトップPCがあります。
あるとき、メモリが半分の16GBしか認識していないことに気づきました。
起動時に見慣れない警告画面が表示されたからです。
意味合い的には、
「チャンネルAのメモリがテストに失敗したよ。取り外してもう一度取り付けなおしてね」
という感じ。
そこで、指示通りメモリを取り付けなおしたり、BIOSを更新したりと色々やってみたのですが改善されず。
でも、警告を放置するとWindowsは軌道を続けて問題なく立ち上がります。
つまり、このまま使えないこともないわけで、再起動の度にこの画面を見ては2か月ほどモヤモヤと悩んでいたのですが、思いもよらないことが原因だったことが分かったので、備忘録として残しておこうと思いました。
もし同じ症状に悩まされている方がいましたら、この記事がお役に立てばうれしいです。
CPU-Zでは認識しているのにシステム上は認識されていないメモリ
ASRock B85M Pro4というマザーボードのCPUソケットは1150LGAというタイプで、対応しているCPUの世代としては第4世代。
Core i5-4670Kや、Core i7-4770Kなどの世代です。
メモリスロットが4つあるので、8GBのDDR3を4本差して使っていたのですが、起動時に
the following channel memory did not pass cpu memory test.
という警告文が表示され、そのまま起動させると、やはりメモリが16GB分しか認識しません。
メモリの抜き差しを頻繁に行っていたので、メモリ自体に問題が生じたのかと思って、ほかのPCで試したみたのですが、どうやらメモリ自体には問題がなさそう。
そこで、今度はメモリスロットの損傷なのかと思い、エアダスターで掃除をしてみたり、違うメモリを差し込んでみたり、メモリの位置を入れ替えたりしてみたものの症状は変わらず。
「うーん、なんか腹立つけど動いているからいいか」
と思い込もうとしたのですが、32GBメモリを差しているのに16GB分しか認識してくれていないのは、なんだかちょっと損した気分です。
そこで、マザーボードのBIOSをアップデートしてみたり、メモリを強めに差し込んでみたり、内蔵電池を交換してみたりと、いろいろと手を尽くしてみたのですが改善されず。
もはや完全にお手上げ状態でした。
なにより不可解だったのは、CPU-Zでは32GBと認識しているにもかかわらず、システム上は16GBしか認識されていなかったこと。
要は、「物理的には32GB全体が認識されているにもかかわらず、ソフトウェア的に16GBが異物扱いされて認識されていない状態」だったのです。
この謎現象にはどうしていいものかわからず、
「う~ん、悔しいけどあきらめるか」
と思っていたときに、とある記事を見かけました。
メモリが半分しか認識されない原因は、CPUソケットのピン折れだった
意外な原因に気づけたきっかけは、「CPUのピン折れが原因の可能性がある」という記事を見かけたことです。
CPUのソケットにはたくさんのピンが整然と並んでいます。
そのうち1本でも損傷させてしまったらPCは起動しないと思い込んでいたわたしにとっては衝撃的でした。
下記は@nvsoftsさんが公開されているソケットLGA1150の機能図解なのですが、たしかに使われていないピンもある様子。
でも、仮にピン折れが原因だったとして、
「いま動いているということは奇跡的に動作しているってことだよな・・・」
「ということは、余計なことをしてしまってさらにピンを折ってしまうと、再起不能になる可能性があるっていうことよな・・・」
そう考えると、このまま使い続けるほうが得策かもしれないとすら思いました。
しかし!
「せっかく32GB分のメモリを取り付けているのに、フルパワーで活用できていないなら、もはやそれは不完全燃焼状態ではないか?」
「いわば、軽自動車にポルシェのエンジンを積んでいるようなものじゃないのか?」
などとワケのわからないモヤモヤに駆り立てられ、
「ダメ元でピン起こしにチャレンジしてみるべ」
「もしも失敗して先不能になったなら潔くマザーボードを交換しよう」
と覚悟して、修理に挑戦してみることにしました。
冷却ファンを取り外し・・・
ソケットを覗き込みます。
肉眼ではまったくわからなかったので、愛用しているハズキルーペを使ってピンをのぞき込みます。
たしかに、1本だけちょっと違う方向を向いているピンがあることに気づきました。
そこで、
たしかに稲穂のように頭を垂れているピンがあることが確認できました。
「いつ倒れたのかわからないけど、よくいままで偶然にも動いていたものだなぁ」
と感慨深く感じつつ、
使った道具はペーパーナイフです。
念のため、電源ケーブルと内蔵電池は抜いた状態で作業すること30秒。
おそるおそるCPUを取り付けなおして再起動。
BIOSに入ってみたところ、無事に32GBまるまる認識させることに成功しました。
ということで、もしわたしのように
「the following channel memory did not pass cpu memory test」という警告文が出ているにもかかわらず、原因不明という場合は、CPUソケットのピン折れを疑ってみていただければとお思います。
ただし、作業はくれぐれも慎重にお願いします。