
ロート製薬のセノビックといえば、2017年には累計販売総数で1000万袋を売り上げた、成長期向けサプリの王者です。
「わが子の身長を伸ばしたい!」
と切望する親心をつかみ、ロート製薬の株価までを押し上げた爆発的ヒット商品であり、TVCMまで放映されている稼ぎ頭のひとつです。
ところが、つい最近になって、強力なライバル製品が登場しました。
それが、森永製菓のセノビーという製品です。
どちらも幼児から小学校低学年くらいまでを対象としたココア味のカルシウム系サプリですが、製品コンセプトが酷似しているので、運悪く(苦笑)両方の存在を知ってしまったお母さんは、悩んでしまうかもしれません。
「セノビーとセノビック・・・よく似た製品だから迷ってしまう」
「どちらもおなじようなものだけど、どう違うのかよくわからない」
と。
ところが、両製品の成分や、製品の成り立ちを調べると、まったく別物だということがわかります。
そこで、セノビックのことを知り尽くしたわたしが、セノビーとの違いを理解しやすいように、独自の観点から考察し、対決させました。
成長期向けサプリ選びに悩んでいるお母さんの一助になればうれしいです。
目次
セノビーとセノビックは飲む回数が違う
セノビックもセノビーも、牛乳に溶かして飲むタイプの健康補助食品で、どちらもココア味を売りにしていますが、1日に推奨されている服用頻度が違います。
セノビックは1日に2杯飲むことを前提に設計されていますが、セノビーは1日に1杯飲むだけです。
セノビックは牛乳150mlに対してセノビック10gが1杯分になっていますが、1日に2回飲むことで1日分の栄養素を摂取できる構図です。
一方のセノビーは、セノビーは牛乳150mlに対してセノビー12gが1杯分になっていますが、1日に1回のみだけで1日分の栄養素を摂取できる構図になっています。
つまり、セノビーの方が栄養素の密度が高いと言えます。
セノビーとセノビックは、カルシウムの含有量が違う
成長期向けサプリの主役といってもいいカルシウムの含有量にも大きな違いが見られます。
セノビックもセノビーも、骨の源になるカルシウムと、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、整腸を促すボーンペップから構成されていますが、じつは摂取できるカルシウムの量がずいぶんと違うのです。
セノビックは、1日2杯飲んだとしても摂取できるカルシウムが260mgなのに対し、セノビーは1日1杯しか飲まなくても良いのに、摂取できるカルシウムの量が700mgもあるのです。
どちらも牛乳がもともと持っているカルシウムの含有量を加えた量ではありますが、セノビーはじつにセノビックの約3倍近いカルシウムが摂取できることが判ります。
セノビーとセノビックは、ココア味を作り出している原料が違う
最大にしてもっとも大きな違いといえるのが、セノビーが本物のココアだという点です。
セノビックの売れ筋はミルクココア味で、(オリゴミルが含まれているのがミルクココア味だけなので、栄養素の観点のみでいえば、ミルクココア味以外を選択する意味がない)、セノビーもミルクココア味なのですが、じつはセノビーはそもそもココアなのです。
子ども向けのカルシウムサプリ製品は牛乳に溶かして飲む製品が多いので、ココア味のものが多いのですが、セノビーがそのほかの製品と圧倒的に違う点が、この「本物のココアである」という点なのです。
カルシウムを中心としたサプリにココアパウダーで味付けをしているセノビック。
本物のココアにカルシウムを中心とした成分を配合したセノビー。
どちらが良いというのは人によると思いますが、もともと森永乳業は日本で初めてココア飲料を世に送り出したメーカーでもあるので、単にココア味風の味付けをするだけの製品ではプライドが許さないという意地もあったのかもしれません。
味のバリエーションが違う
セノビックは現在、ミルクココア味、いちごミルク味、ヨーグルト味、バナナ味、ポタージュ味の5種類があります。また、不定期ながらも抹茶味など、季節や時期に応じて変わり種を出してくることもあります。
一方のセノビーは、ココアパウダーで演出されたココア味ではなく、ココアそのものでもあるので、当然のことながらココア味しか存在しません。
よって、味のバリエーションの多さという点では、セノビックに軍配があがります。
ただ、セノビックの売りでもあるオリゴミルは、ミルクココア味にしか含まれていませんので、ミルクココア味以外のセノビックは、はっきりいって全くおすすめしません。
じっさい、もっともよく売れている製品はミルクココア味であり、成分をよく理解している目の肥えたユーザーが購入するのも、ミルクココア味です。
その他の味は、飽きの防止には役立ちますが、ミルクココア味以外を選ぶのなら、別にほかの製品でもいいのではないかと思います。
よって、実質的にセノビックといえばミルクココア味というのが定説です。
保護者でも飲めるか?
セノビックもセノビーもココア味ですが、セノビーは森永ブランドだけあって、本物のココアが採用されています。
本物のココアだけあって、セノビーは味が抜群に良く、なおかつ免疫力を高めるシールド乳酸菌と、睡眠の質を向上させる効果が期待できるミルクペプチドが配合されているため、こどもと一緒に飲む保護者(お母さん)が多数です。
セノビックはさすがに中高生や大人では甘すぎて常飲するのは難しいところがありますが、セノビーは普通のココアとして飲んでもまったく遜色のない本物のココアのため、おとなでも飲みやすいという特徴があります。
セノビックとセノビーは価格が違う
セノビックは、1袋あたり(28杯分)の定価は1296円(税込)ですが、1日に2杯飲むことになるので2袋購入することが原則となりますが、2袋購入することで割引がありますので、合計は2160円(税込)となります。
また、定期購入を選ぶことで1944円(税込)で購入することができます。
ただし、最低継続回数は3回以上という制限があります。
一方のセノビーは、1袋あたり(30杯分)の定価は1728円(税込)ですが、1日に1杯でよいので、1袋しか必要ありません。
こちらも定期購入を選ぶことでずっと1555円(税込)で購入できるうえ、初回の購入時は1382円(税込)で購入することができます。
また、最低継続回数の制限はありません。
よって、セノビックに比べてセノビーのほうが価格・割引率・定期購入のハードルの低さともに優れていると言えます。
セノビックとセノビーはどちらが優れているか?
2014年前後まではセノビックの独壇場でしたが、各社から成長期向けサプリが出そろった現在となっては、セノビックの栄養素や価格はちょっと見劣りするものになってきたというのが実情です。
・栄養素
・価格
・味
・コストパフォーマンス
・味の種類
で比較する限りは、現段階ではセノビックとセノビーでは、セノビーに軍配が上がると言わざるをえません。
この記事にもあるように、わたしにとってセノビックはこどもの成長期を支えてくれた思い入れのある商品ではありますが、後発製品ほど優れた製品に進化していくのは仕方のないことだと思います。
じつをいうと、森永製菓は2005年ごろから「天使の健康」というブランドラインで数多くの健康食品を展開しています。
有名どころでは、モデルとして活躍されている蛯原友里さんが愛用していることでも知られる「おいしいコラーゲンドリンク」などがあります。
また、「厚利少売」ではなく「薄利多売」を志向する大手企業らしい販売スタイルなので、性能は良いけれど少ない数を販売して利益を確保するのではなく、性能がよいからこそ低価格でたくさん販売して利益を確保する量販モデルを確立しています。
それゆえに、セノビーは「高品質なのに安い」のです。
成長期向けサプリに参入するメーカーは増えてきていますが、ニッチな分野ゆえに、大手メーカー・有名メーカーの参入は意外とまだ多くありません。
そのなかにあって森永製菓のセノビーは、最後発といっても過言ではない部類ですが、それゆえに研究が重ねられ、先発製品であるセノビックの成分、味、価格のすべてを完璧にベンチマークした最強の刺客といっても過言ではないと思います。
まさに、セノビックの上位互換製品といったところです。
古くからのブランドネーム(セノビック)を取るか、新参ではあるものの後発製品ならではの高性能ジェネリック(セノビー)をとるかは人それぞれですが、どのような製品ジャンルも新しい製品が旧製品を上回り、さらによい商品に変化していくものですよね。
子ども向け・成長期向けのサプリ業界もやっとこさ大手企業・有名企業が参入してきて、ようやく活気づいてきたといってもいいかもしれません。
森永製菓のセノビーの登場は、成長期向けサプリ市場の新しい幕開けといっても過言ではない商品だと思います。